涼しくなってきましたね。来週から高知・四万十市へ出張です。沖縄近くの台風が上陸しないことを祈っています。
伐採だけではなく、樹木を守る樹木医業務も(しっかりと!)行っています。木こり出身という特性上、どうしても伐採がメインになりますが、地域の社会的共通資本ともいえる貴重な樹木の保護にも積極的に携わりたいと日々思っています。今回は最近、お手伝いした樹木医業務をかいつまんで紹介します。
ソメイヨシノの外観診断。桜の木の状態を外観と木槌による打診音から診断します。木槌で叩いていくと、空洞部は乾いた音に変化します。そこから、幹の内部の状態を推測します。そのほか、葉の量、出方、枯れ枝の有無、樹皮の状態。外観から分かる病気、てんぐ巣病など診断する仕事です。
こういった開口部からの腐朽もチェックします。怪しいので木登りして確認しました。外観診断で内部の腐朽が進んでいると判断したものは、倒伏の恐れがあるので精密診断にかけます。診断方法は針を刺して内部の腐朽を確認したり、音波を使って診断します。
精密診断で内部腐朽率が高かったサクラ。見事ほとんどの芯材が腐朽しています。通学路に面していて危険なため、伐採しました。外観からはここまでの腐朽はわかりませんでした。
関東で猛威をふるうナラ枯れ(ブナ科樹木萎凋病)。虫の穿孔によるフラスです。今年も多くの被害がでています。詳細は別の機会として、樹木が枯れると分解する役割も活発になります。
カエンタケ。触るだけで皮膚がただれるという猛毒キノコです。ナラの枯れ木と共生して少し増えています。きれいなキノコなので、小さなお子さまがいる方などは気をつけてください。
ナラタケ(これはナラタケモドキ)も大繁殖しています。食べれるとか食べられないとか。軸のツバで判断します。調査しているとその気になれば何キロもとれるくらい遭遇します。(忙しいのでとりませんが
最後の写真。これがなにかすぐにわかる方はいますか?マツノマダラカミキリの産卵痕です。ちょうど今頃、枯れかけて弱った松に卵を産み付けます。見事に枯れかけて松だけ狙います。匂いで判断するそうです。すごいですね。松枯れの原因となるマツノザイセンチュウの拡大を誘引するので(要因はこれだけではないです)、管理しているエリアでこれがたくさん確認されると、樹木医にとっては頭の痛い案件です。
以上、ざっと樹木医業務をあげてみました。そのほかは、また機会を改めて。
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